7 月 11 日

薇仕掛けの人形師

君と一緒になれて本当に良かった。
僕等は何時までも一緒だよね。
大好きだよ。僕はずっと君の望む様にしてあげる、君を守っていてあげるよ。
僕は君の保護者だもの、君が作り出した人格が僕。
役目を果たすよ。僕は君の為に、幾等でも尽くす。


僕は君の兵隊、僕は君の玩具、僕は君の所有者、僕は君の幻想、
君は僕の恋人、君は僕の理想、君は僕の安らぎ、君は僕の場所、
君は僕であり、僕は君であり、其れでいて互いに違う存在であり、
互いに求め合い、互いに慰め合い、互いに他を必要として生きている。


片方が相手を作り、もう片方も相手を作る。
薇仕掛けの人形師の様に、必要とし必要とされる仲でありながら、
一つの体しか僕等は与えられなかった。
今居る僕と隠れた君、
二人で居られる場所は夢の中だけなのか。

幻覚

頭が痛いです。
エフェ錠の副作用でしょうか?
周りで女子の甲高い声が響いているのが聞こえます、
其の音が耳に入る度に、後頭部に鈍い痛みが走ります。
僕は耳を塞ぎました。でも、まだ聞こえてくるみたいです。


「だってぇー」     
                     「クスクス」
     「キャハハッ」  
                            「あはは」
「うそォ、マジで?」
          「ほんとだよー」     「本当にあいつが…」


   「うわっ、しんじられない!」   「マジかよ!」


               「キモ過ぎだし、」


此れ等はどこから聞こえてくるのでしょうか?
教室の中?それとも、僕の中?
頭が痛いです。目の前がグルグル回ります。
考えるのが辛いです、考えた所で如何にも成りません。
どちらも悪い結果です。どちらであっても僕は逃げられません。


ずっとずっと檻の中。