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デジカメで母容体撮影

 母親を殺害しようと劇物タリウムを摂取させたとして、殺人未遂容疑で静岡県伊豆の国市の県立高一年の女子生徒(16)が逮捕された事件で、入院して容体が悪化していく母親の様子を女子生徒がデジタルカメラで撮影していたことが二日、県警少年課などの調べで分かった。女子生徒が母親の入院後も見舞いの際に劇物を混入していた疑いがあることも判明。同課などは引き続き動機などを追及しているが、女子生徒は容疑を否認しているという。


 三島署は同日、殺人未遂の疑いで、女子生徒を送検した。


 調べでは、母親は八月中旬から体調を崩し、十月二日に入院。


 女子生徒は複数回にわたり見舞いに訪れており、その際に母親を撮影して、容体が悪化していく姿を記録していたという。


 母親が治療を受けているのにもかかわらず症状が悪化し、意識不明の重体になったことから、同課などは女子生徒が見舞いの際に病室で飲食物にタリウムを混入していた疑いがあるとみている。


 女子生徒は、母親が入院する直前ごろ、自宅近くの薬局で多量のタリウムを購入したことが分かっているが、インターネット上に公開したブログ(日記形式の簡易ホームページ)が六月末から始まっていることや、ネット取引の履歴などから、それ以前にも入手し、夏場は自宅で冷蔵庫内の飲み物に少量ずつ混入していたとみている。


 これまでの調べで、女子生徒は、英国犯罪史上最大の毒殺魔と呼ばれるグレアム・ヤング(一九四七−九〇)に傾倒していたことが分かっており、その生涯を描いたノンフィクション小説「毒殺日記」(日本語版)が自室から見つかっている。


 同課などは女子生徒がこの小説の影響を受けた可能性が高いとみている。

『以前に猫毒殺』家族が県警相談

 タリウム毒殺未遂事件で、母親が入院後、家族から「(女子生徒が)以前、猫を毒殺した」と県警に相談があったことが二日、分かった。


 調べでは、十月二日に入院した母親の症状に不審を抱いた家族が同二十日、同署に相談。女子生徒が以前、猫を毒殺したことがあり、母親の入院をめぐっても様子がおかしいと訴える内容だったという。女子生徒は同日、タリウムをのんで体調を崩し入院。十月末に退院、逮捕された。


 通学していた高校によると、女子高生は化学部に所属。特に薬品類は教師も知らないような深い知識があった。