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毒物未遂事件 服用薬物は睡眠導入剤

 静岡県伊豆の国市の高校1年生の女子生徒(16)が劇物タリウムを母親(47)に投与したとして殺人未遂容疑で逮捕された事件で、女子生徒が逮捕前の10月21日に体調を崩して病院に運ばれたのは、大量の睡眠導入剤の服用が原因だったことが4日、静岡県警の調べで分かった。


 調べによると、女子生徒は10月2日に母が入院した前後、兄から「毒物を投与したのではないか」と、複数回にわたって問いつめられていた。入院する前日の20日には兄が母の担当医に「妹が薬物を投与しているかもしれない」と相談。病院から通報を受けた県警が医師から事情聴取していたことから、女子生徒が捜査が自分に及ぶことをおそれ、捜査を攪乱(かくらん)する目的で毒性の低い睡眠導入剤を服用したとみて調べている。睡眠導入剤は、女子生徒が母親に投与したタリウムに比べ毒性が低く、県警は女子生徒が毒物の致死量に強い関心をもっていたことから、自殺を図った可能性は低いとみている。


 また、母親には、女子生徒が自宅近くの薬局でタリウムを購入する前の、7月中旬ごろから発疹(はっしん)などの症状が出ていたことも分かった。女子生徒はこの薬局で、4月中旬にも劇物「ビス」を購入しており、県警は、女子生徒が8月以前にも母親にタリウム以外の別の劇物のようなものを投与した可能性もあるとみて女子生徒を追及する。
(11/05 08:39)