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高1女子、母親に劇物 ブログで "観察日記" 衰弱していく様子記述

 静岡県伊豆の国市で県立高校一年の女子生徒(16)が劇物タリウムを使って母親(47)を殺害しようとした事件で、女子生徒がインターネット上の日記「ブログ」に、タリウムを投与する経過や、衰弱していく母親の様子とみられる“記録”を公開していたことが一日、静岡県警少年課と三島署の調べで分かった。県警は押収したパソコンなどから、書き込みが女子生徒のものと断定。これを決め手の一つとして逮捕に踏み切っていた。女子生徒の心理状態などについても、県警は詳しく分析を進める方針だ。
 女子生徒は八月中旬に「実験01日目」と題して毒劇物を投与したハムスターの観察経過を書き始めた。それと前後して、母親の全身に発疹(はっしん)が起きて体調が悪化していることや、「殆ど動けなくなってしまいました」などと、病状に関する記述を頻繁に書き込むようになった。八月下旬には自らも腹痛に悩まされていると書いたうえで、「原因は解っています。タリウムです」と記していた。
 母親が入院する数日前には「母はよく泣くようになった。僕に“毒を造って欲しい”“誤って飲んだ事にして貰いたい”とぼやく」などと母親とのやり取りを紹介し、「自殺衝動が出始めたようだ」と冷淡な分析を加えている。
 また、母親が入院している十月中旬には「今日の朝、先生に筆記用具を借りた。其の時泣きながら母の話しをして、同情を得た。人って案外簡単に騙されるものなんだと思った」と、自分の行動に対し周囲がどう反応するかを冷静に観察している様子ものぞかせた。
 女子生徒がブログで日記をつけ始めたとみられるのは今年六月。自らを「僕」と形容し、男性を名乗っていた。
 女子生徒はその冒頭で「学校の人はこの事を知らないので、嫌な事とかも全て書くつもり」と宣言する一方、「僕の友達は少ないです」と、学校生活で孤独を感じていることを吐露していた。
 七月初旬の書き込みでは、英国で連続毒殺事件を起こし、映画にもなった「毒殺魔」、グレアム・ヤングについて書かれた本を「尊敬する人の伝記」と紹介。その後、「図書館に行って本を借りてきました。『死体を語ろう』や『日本列島毒殺事件簿』(中略)等を借りました」と、毒物や薬物を利用した犯罪に対する強い関心をうかがわせる記述が目立つようになった。
 母親の入院前後の書き込みでは、「隠れることは喜びでありながら、見つけられないことは苦痛」と犯行をほのめかしているとも受け取れる記述もあった。