中日新聞 のニュース

パソコンで経過記述

 静岡県伊豆の国市の県立高1年女子生徒(16)が母親(47)を劇物タリウムで殺害しようとしたとされる事件で、女子生徒の部屋から押収したパソコンに特定人物への薬物投与とその影響を観察したような文書が残されていたことが県警少年課などの調べで分かった。母親の容体の経過と一致する記述もあり、同課などは女子生徒が文書の一部を抜粋する形でブログ(日記風サイト)を作成したとみている。


 調べでは、文書は「真実の口」と題したフォルダーに保存。「僕」が「Atom」にタリウムを指すとみられる「碧の小枝」をのませるストーリーが日付を追ってつづられていた。母親が入院した10月2日に「Atomが入院した」とあるほか、10月19日の「少し脱毛が促進された位か、それと今日は首筋に皮膚の剥離(はくり)を認めた」との記述は女子生徒が入院中の母親を撮影したデジタルカメラの映像とほぼ一致するという。


 また、女子生徒が調べに対し「ブログの通りタリウムを薬局で買った」と、8月24日と9月14日に薬局を訪れ、タリウム25グラムずつを自分で購入したと認める供述をしたことも判明。


 女子生徒が傾倒していた英国の連続毒殺犯グレアム・ヤングは、義母殺害にタリウムなどを使った経緯を日記につけており、同課などは女子生徒がヤングを模倣したとの見方を強めている。


 静岡地検沼津支部は11日、女子生徒の10日間の拘置延長を沼津簡裁に請求し認められた。女子生徒は容疑については依然、否認もしくは黙秘を続けているという。